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第4回を迎えた「球磨川リバイバルトレイル(KRT)」。 私は昨年同様約106kmの「川辺川コース」に参加してきました。
昨年の第3回大会については、コース概要やポイントを中心にまとめましたが(※過去記事参照)、今回は少し視点を変えたいと思います。
テーマは、「装備(ギア)」と「補給(食料)」について。
台風崩れで雨も心配しましたが、当日は、好天に恵まれ、路面状況も良好でした。 しかし、コンディションが良いということは、それだけ「走らされる」ということ。休む理由を失った脚には、累積標高とスピードによる負荷が容赦なく襲いかかってきます。
そんなハイスピードかつタフな展開となった今年のKRT。私が実際に使用し、完走を支えてくれた「相棒(ギア)」と「燃料(食料)」を、レースの局面(シーン)ごとに振り返っていきます。

A5〜A6区間のながーいロード(約10km)もしっかりと走り日の出前にゴールできました!
1. スタート〜序盤:好天ゆえの「熱」と「冷え」対策
スタート時の高揚感に包まれながら走り出します。天気は快晴。日差しには暖かさを感じますが、山間部に入れば空気は冷たいのがこの時期の特徴です。
今回のコンディションで重要だったのは、昼間の発汗による「オーバーヒート」を防ぎつつ、日陰や夕方以降の「汗冷え」を回避することでした。
■ ウェアリング(トップス)
ベースレイヤー: finetrack ドライレイヤー®ベーシック T
アームカバー: finetrack ドライレイヤーウォームアームカバー
【選んだ理由と使用感】
この組み合わせを選んだ最大の理由は「汗処理」と「温度調整の容易さ」です。 ドライレイヤーベーシックは、かいた汗を瞬時に上のレイヤーへ透過させ、肌を常にドライに保ってくれます。日中の登りで汗をかいても、日陰に入った瞬間の「ゾクッとする寒さ」が皆無だったのは驚きでした。
アームカバーは、スタート時には装着せずにリュックに忍ばせ、日没した頃に装着。「ウォーム」タイプにしたのも正解でした。着脱することなく、上げ下げだけで微細な温度調整ができ、レースのリズムを崩さずに済みました。

スタート時は暖かったけど、日が落ちると寒さを感じたのでアームカバーは重宝します!
2. 中盤:乾いた激坂と硬い路面への対応
KRTといえば「泥」対策が必須ですが、今回は嬉しい誤算で泥がほとんどありませんでした。 しかし、乾いたトレイルは硬く、また、ガレた路面も多くあります。下りでは着地衝撃がダイレクトに脚を削ってきます。
ここで求められたのは、長距離を走り続けるための「クッション性」と、マメや股ズレといった「皮膚トラブル」を徹底的に防ぐことでした。
■ シューズ

シューズ: HOKA スピードゴート 6 (Speedgoat 6)
【選んだ理由と使用感】
泥対策のグリップ力もさることながら、今回の硬い路面で真価を発揮したのはその「クッション性能」です。 厚底でありながら路面状況を掴みやすく、後半の疲労した脚でも、ロッカー構造が自然と次の一歩を前へと送り出してくれました。ガレ場での突き上げもマイルドで、最後まで脚を残せたのは間違いなくこのシューズのおかげです。

クッション性もあるので、長距離レースでは毎度お世話になってます。
■ 足回り・皮膚トラブル対策

ソックス: Feetures エリートライトクッション ミニクルー
アンダーウェア:T8 Men’s Commandos (メンズ コマンドー)

皮膚保護: Protect J1 皮膚保護クリーム
【トラブル回避の鍵】 100kmという長丁場、マメや股ズレは命取りになります。 足元は、スタート前に「Protect J1」を入念に塗り込み、アーチサポートとフィット感が絶妙な「Feetures」のソックスで完全防備しました。
そして、ランナーの天敵である「股ズレ」対策として投入したのが 「T8 Commandos」 です。このアンダーウェアは驚くほど軽量で、縫い目がなく肌当たりが極めて滑らか。汗抜けも抜群。 ゴール後、「痛み(擦れ)」がない状態だったことが、これらのギアの優秀さを如実に物語っています。

お股にProtect J1を塗り忘れていたけど、T8 Men’s Commandosのおかげで股ずれなしでした。
3. ナイトパート:視界確保とメンタル維持
日が落ち、世界が闇に包まれると、川辺川コースも表情を一変させます。 気温は下がり、疲労がピークに達した身体に睡魔が忍び寄ります。ここからは自分自身との対話です。
■ ライトシステム
ヘッドライト: Ledlenser H8R
ウエストライト: Ultraspire ルーメン 600
【選んだ理由と使用感】 今回のナイトラン攻略の要は、この「2灯流」にありました。 H8R(600ルーメン)で遠くを照らしつつ、腰につけたUltraspire ルーメン600が低い位置から足元を照らします。これにより、路面の凹凸に「影」ができ、トレイルが立体的に見え、暗闇でも安心して走ることができました。
平面的な光だけでは気づきにくい木の根や浮石を瞬時に判断でき、脳へのストレスを大幅に軽減でき、捻挫を防ぐこともできました。特にH8Rの広角かつ柔らかな光は、霧が出た場面でも視界を確保してくれました。

ウエストライトはほんとにおすすめ!
必携品として2灯が求められるので、それなら単に予備としてリュックにしまいっぱなしはもったいない!
■ 防寒着(シェル)

アウターシェル: Teton Bros. ウインドリバーフーディ
【機能性について】 夜間の冷え込み対策で、このシェルを持参しました。 夜間は冷え込みがありましたが、走っている限りはそれほどの寒さは感じませんでした。ただ、エイド滞在後の走り始めは身体の冷えを感じたので、ウインドリバーフーディを着用して走り始めました。このウェアの特筆すべきはその「通気性」と「軽量性」、そして、「素材の柔らかさ」です。着たまま走っても蒸れにくく不快感がありません。また、リュックに収納する際にも素材が柔らかいこともあり、簡単にリュックに押し込んで収納することもできます。軽量なので、お守りとして持っていきましたが、体温調整でお世話になりました。

出走前、レインを防寒着代わりにするか悩んだけど、携帯しててよかった!
4. 補給戦略:内臓の限界と戦う
距離が進むにつれ、内臓も疲弊してきます。「好天=走れる」展開だったため、消費カロリーも多かったはずです。 ガス欠を起こさず、かといって胃腸トラブルで潰れない。そのギリギリのラインを攻める補給戦略がこれです。
■ ジェル・補給食

メインジェル: GU Liquid Energy
サブジェル: ANDO_ (アンドゥ)
【摂取のポイント】 通常の粘度の高いジェルは、後半になると飲み込むのが辛くなります。その点、GUのリキッドタイプは水なしでもサラッと飲めるため、喉が渇いている時や疲労時でもスムーズに摂取できました。 また、甘いジェルに飽きた時の救世主が「ANDO_」です。和の優しい甘さと塩味が、疲れた胃袋に染み渡ります。「飲むあんこ」のような感覚で、補給が楽しみになる瞬間を作ってくれました。

後半は胃腸に不快感があったけど、サラッと飲めるので、走りながらエネルギー補給できました!
■ サプリメント・薬
カフェインカプセル
EAA & グルタミンミックス
【運用方法】 眠気が襲う深夜帯にはカフェインを投入し覚醒を促します。筋肉の分解を防ぐためにEAAとグルタミンを定期的に摂取。 そして何より、胃の不快感を感じる前に「ガスター10」を予防的に投入しました。最後まで固形物を受け付け、エネルギー切れを起こさなかったのは、この徹底した内臓マネジメントがあってこそです。

完全に胃腸トラブルを防ぐことはできなかったけど、最後まで走り切れた!マネジメント力大事!
まとめ
今回のKRT(川辺川コース)を走り終えて痛感したのは、「不安要素を消す準備」の大切さです。
天候が良かったとはいえ、100kmを超える山旅は何が起こるかわかりません。 どんな状況にも対応できる信頼できるギアと、自分の体を理解した補給計画があったからこそ、最後までコースを楽しみ尽くすことができました(ラスボスボスの高岳では心折れそうになったけど)。
また、知り合いのランナーからは、途中走れなくなってエマージェンシーに包まって寝てたといった話も聞きました。私自身は、そういった状況に直面したことはありませんが、万全の準備をしていても何が起こるか分からないのがトレイルランです。「荷物になるから持って行きたくない」といった思いがちですが、やはり最低限の装備は必要だなと改めて感じました。
今回のMVPギア: 個人的なMVPを挙げるとすれば、文句なしで 「T8 Men’s Commandos (メンズ コマンドー)」 です。 100kmを超えるロングレースにおいて、最大の敵の一つである「股ズレ」が皆無だったこと。これは単なる快適さ以上の武器です。痛みというストレスから解放され、走ることだけに集中させてくれたこのアンダーウェアに、最大の賛辞を送りたいと思います。

素晴らしい大会を開催してくれた主催者、ボランティア、そして沿道で応援してくれた地元の皆様に感謝を。 また来年、この場所でお会いしましょう。
トレイルの足跡
