この記事はプロモーションを含みます。
トレイルランニングを始めるとき、最初に買うのがシューズです。
店に並ぶ靴は1万円から3万円まで幅があります。見た目もよく似ていて、どれを選べばよいのか分かりません。
この記事では、予算と足の形の2つでシューズを選ぶ方法をまとめました。
この記事では、実際に走った靴と、走っていない靴を分けています。走っていない靴には、その理由を添えました。ここで紹介する靴は、100Kや100マイルを走るための靴ではありません。初めての1足として、予算と足の形に合わせて選ぶための靴です。

ライターの『アシタカ』です。
トレラン歴12年の会社員ランナー
年間10大会程度出走、上位10%をキープ(大体)
実体験を元に、初心者向けにトレランの始め方を紹介しています。
初心者のトレランシューズは、予算と足の形で決まる

1足目は、次の4つのどれに当てはまるかで決まります。
| 選ぶ基準 | モデル | 価格 |
|---|---|---|
| とにかく安く始めたい | アシックス Fuji Lite 7 | 11,660円〜 |
| 足の形がまだ分からない | サロモン センスライド5 | 15,895円〜 |
| 足幅で困っている | アルトラ ティンプ6 | 19,800円〜 |
| 長い距離を走りたい | HOKA スピードゴート7 | 23,100円 |
価格は2026年9月時点のものです。
どれを選ぶかの前に、確かめておきたいことがあります。すでに走っている人と、走ること自体が初めての人とでは、選び方の入口が違います。
すでに走っている人は、ラグと剛性で選ぶ

トレイルランニングを始める人の多くは、ロードのランニングから移ってきます。
その場合、自分の足の形はもう分かっています。サイズも、幅が広いか狭いかも、これまでの経験で知っているはずです。
足の形を知るところから始める必要はありません。知るべきなのは、ロード用の靴との違いです。
違いは主に2つあります。靴底の凸凹であるラグと、ねじれにくさを決める剛性です。この2つが、山を走れるかどうかを分けます。
すでに走っている人は、自分に合うブランドとモデルを試しながら選んでいく流れになります。1足目で決めきる必要はありません。
走ること自体が初めてなら、価格を抑えた1足から始める
一方、走ること自体が初めてなら、自分の足の形もまだ分かりません。
下りが苦手なのか、足幅が広いのか、走ってみないと分からないからです。分からないうちから3万円の靴を買っても、その3万円が自分に合っているかは判断できません。
この場合は、価格を抑えた1足から始めて、自分の足を知るところからです。

走りながら「もっとここを助けてほしい」という欲が出てきます。それが2足目の答えになります。
1足目に、2万円以上かける必要はない
トレランシューズのコスパは、値段の安さでは決まりません。足に合うかどうかで決まります。
予算をできるだけ抑えたい人には、アシックスの Fuji Lite 7 があります。
1万円台の前半で買えるトレランシューズです。
私は Fuji Lite 7 を履いていません。使用感は書けません。
それでもこの靴を挙げる理由は3つあります。
- 2026年に出た最新モデルで、当面は型落ちにならない
- 22.5cmから30.0cmまであるユニセックスなので、女性も同じ靴を選べる
- 1万円台の前半なので、合わなくても損失が小さい
3つ目がいちばん大きい理由です。
自分の足の形が分からない段階では、失敗したときの損失を小さくしておくほうが合理的です。
100Kや100マイルには勧めない
この価格帯の靴を、長い距離のレースには勧めません。
100kmを超えると、足裏へのダメージが一気に増えます。クッションの量と、ソールの耐久性がそのまま完走率に効きます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 向いている人 | 予算1万円程度で始めたい人 |
| 向いている人 | まず山を走ってみたい人 |
| 向かない人 | 30km以上のレースに出る人 |
| 向かない人 | 足幅がかなり広い人 |
価格を抑えた靴は、店で2か所だけ確かめる
一般に、価格の低い靴は耐久性が落ちると言われます。ただ、山を走れるかどうかは値段だけでは決まりません。
店で確かめるのは2か所だけです。買う前にこのリストを試してください。
| 確かめること | 避けるサイン |
|---|---|
| 靴底の凸凹を指で押す | 柔らかく沈む |
| かかとを持って左右にひねる | 左右にぐらつく |
靴底が柔らかいものは、土の上で潰れてしまいグリップが効きません。かかとがぐらつく靴は、下りで足首をひねります。
この2つを満たしていれば、価格帯が下でも山は走れます。逆に、2つが怪しい靴は値段に関わらず避けてください。
私はイベントのレンタルシューズで山を走ったことがありますが、困ったことはありませんでした。滑って怖い思いをすることも、足首がぐらつくこともありませんでした。
短い距離を走るぶんには、価格の低い靴でも問題は起きません。安さそのものを心配する必要はありません。
足の形が分からないうちは、クセの少ない靴を選ぶ
もう少し予算が出せるなら、サロモンの センスライド5 があります。
グリップ、クッション、剛性のバランスが良く、路面を選ばないオールラウンダーです。
私も履きました。走っていて不満はありませんでした。評価が高いのは分かります。
ただ、継続して使うことはありませんでした。悪かったからではありません。
私の場合は、長い距離でクッションの厚い靴に移っていったからです。
それでも初心者に勧める理由は、クセが少ないからです。
クセが少ない靴は、自分の苦手が見つけやすい
アルトラのようにゼロドロップの靴や、ソールの厚い靴には、それぞれ強い個性があります。
個性の強い靴で走ると、走りにくさが靴のせいなのか、自分の弱点なのか区別がつきません。
センスライド5のようにバランスの取れた靴なら、走りにくさの原因が自分側にあると分かります。
下りで足が前に滑るならサイズを、濡れた岩で滑る恐怖心が強いならグリップを強化、つま先側面が当たるなら幅の問題です。

苦手や自分の特徴が分かったら、2足目でそこを補う靴を選んでください。私の場合は幅でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 向いている人 | ロードから山に入った人 |
| 向いている人 | 走る場所がまだ決まっていない人 |
| 向かない人 | 足幅がかなり広い人 |
| 向かない人 | 走る路面が決まっている人 |
なお、センスライド5は在庫限りで販売されています。サイズが欠け始めているので、購入前に在庫を確認してください。
足の不具合が、2足目の参考になる
1足目を履いたら、走りながら次の4か所を確かめてください。2足目を選ぶときの材料になります。
| 見るところ | 分かること |
|---|---|
| 下りでつま先が当たる | サイズが合っていない |
| 小指の付け根が痛む | 足幅が合っていない |
| 濡れた岩で滑る | グリップが足りない |
| 終盤に足裏が痛む | クッションが足りない |
痛みが出た場所を覚えておくだけで十分です。走り終えた直後にメモしておくと、忘れません。
同じ場所が2回続けて痛むなら、それが自分の弱点です。2足目はそこを補う靴を選びます。

私は小指でした。だからアルトラに移りました。
100kmでは、後半に履き替える選択肢を用意する
阿蘇の100kmのレースでは、前半をスピードゴートで走りました。剛性が高く、脚が残っている前半は助けられました。
68km地点のエイドで、右足の小指に当たりが出ていました。そこで、ドロップバッグに預けていたアルトラのティンプに履き替えました。
長い距離を走ると足はむくみます。前半に合っていた幅が、後半には狭くなります。
履き替えたのは、スピードゴートが悪かったからではありません。後半用の選択肢を、あらかじめ用意していたからです。
ただし、原因が靴だけとは言い切れません。年齢とともに足の形が変わることもあります。
原因が何であれ、幅を広げたら走れました。足が痛むときは、幅を疑う価値があります。
アルトラはつま先が広く、指が動かせる
アルトラの靴は、つま先の形が足の指の形に沿っています。指を広げたまま走れるので、長い距離でも当たりにくくなります。

ティンプ6は、その中でもクッション性の高いモデルです。30km以上のレースや、ロードと山が混ざるコースに向いています。
ただし注意点があります。アルトラはかかととつま先の高さが同じ、ゼロドロップという構造です。
一般には、かかとの高い靴に慣れているとふくらはぎとアキレス腱に負担がかかる、と言われます。いきなり長い距離を走らず、短い距離から慣らすのが定石です。
私の場合は、2、3回走ったら慣れました。
それよりも印象に残ったのは、つま先の解放感です。指が自由に広がる感覚と、体が安定する感覚に感動しました。
負担を心配して避けるより、一度履いてみる価値はあります。ただし、慣れるまでの数回は距離を抑えてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 向いている人 | 足幅が広く靴選びに困る人 |
| 向いている人 | 30km以上のレースに出る人 |
| 向かない人 | かかとの高い靴に慣れた人 |
| 向かない人 | 地面を掴む感覚を求める人 |
こちらの記事でティンプ6の使用感を紹介しています。
長い距離を走るなら、スピードゴート7
30kmを超えるような長い距離を走るなら、HOKAのスピードゴート7です。
私が気合いを入れているレースで履いている靴です。シリーズを4、5、6、7と履き継いできました。

クッションが厚く、ソールのグリップも強い。軽さと耐久性のバランスが良く、長い距離で頼りになります。
こちらの記事で、1つ前の6の使用感を紹介しています。
距離が伸びるほど、足裏へのダメージは増えます。クッションの量が、そのまま後半の走りに効きます。

ただ、7については私自身が迷っています。
幅と踵の剛性が気になっていて、このまま同じシリーズを履き継ぐかどうかを考え直しているところです。長く使ってきたシリーズでも、モデルが変われば合わなくなることがあります。
だから「このシリーズなら間違いない」という勧め方はしません。試着して、自分の足で確かめてください。
幅が合わない人には、同じ価格のワイドがある
私はスピードゴート7に細さを感じています。レースの途中で履き替えたのも、細さが理由です。
そのスピードゴート7に、幅の広いワイドモデルがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品番 | 1171930 |
| 価格 | 23,100円(通常版と同額) |
| 通常版との違い | 足幅のみ |
| 共通の仕様 | ミッドソール、ゲイター対応 |
値段が通常版と変わらない点は大きいと考えています。幅で迷っている人が、追加の出費なしに選べるからです。
こちらの記事でスピードゴート7の使用感を紹介しています。
サイズはブランドで変わる|HOKAは0.5cm上げ、アルトラは上げない
トレランシューズは0.5cmから1cm大きめを買う、とよく言われます。
私の場合は、ブランドによって違いました。
| ブランド | 履いているサイズ | 実寸からの差 |
|---|---|---|
| HOKA | 26.5cm | 0.5cm上げている |
| アルトラ | 26.0cm | 上げていない |
同じ足で、ブランドが変わると0.5cm違います。
アルトラを上げていないのは、もともとつま先が広い形だからです。サイズを上げると、かかとが浮いて中で足が動きます。

「トレランシューズは大きめ」という一般論は、すべてのブランドには当てはまりません。
大きめを買うより、中で足が動かないことを優先する
サイズ選びで大事なのは、次の2点です。
- 下り坂でつま先が靴の先に当たらないこと
- 走行中に靴の中で足が動かないこと
この2つは逆方向の要求です。大きくすれば指は当たりませんが、足が中で動きます。
「とりあえず大きめ」は失敗します。甲から足の裏にかけてしっかり固定されていて、なおかつ指が自由に動くサイズを探してください。

止まった状態で違和感がある靴は、走ればもっと痛くなります。
試着で少しでも気になったら、そのサイズはやめてください。
グリップとクッションは、走る場所で決める
トレランシューズに必要な性能は、グリップ、クッション、剛性の3つです。
どれも高ければ良いわけではありません。走る場所によって最適な量が変わります。
ラグが深いほど滑りにくく、そのぶん舗装路で走りにくい

靴底の凸凹をラグと呼びます。ラグが深いほど土を掴み、滑りにくくなります。
| ラグの深さ | 向いている路面 |
|---|---|
| 深い | ぬかるみ、岩場 |
| 浅い | 乾いた路面、舗装路が混ざるコース |
初めての1足なら、中間くらいのラグを選んでおけば困りません。
私も濡れた路面で滑って怖い思いをしたことがあります。ローンピーク8までのモデルでは、多少の不安を感じました。9+からビブラムのソールになり、グリップは上がっています。
ただ、土砂降りの中を走れば、どの靴でも滑ります。ラグの深さだけで解決する問題ではありません。
グリップは強ければ良いわけではない
グリップの強い靴を選んでおけば安心だ、と書かれることがあります。私はそう考えていません。
下りが得意な人には、グリップが効きすぎて走りにくいことがあります。足を前に滑らせながら降りたいのに、靴が止まってしまうからです。
必要なグリップの量は走る人によって変わります。ここは自分で走ってみないと分かりません。
だからこそ、1足目で自分の感覚を確かめてほしいと考えています。
クッションは距離が長いほど必要になる

クッションは、木の根や石の衝撃から足裏を守ります。
| クッションの量 | 向いている走り方 |
|---|---|
| 多い | 長距離、下りの多いコース |
| 少ない | 短距離、登りの多いコース |
クッションが多いほど疲れにくくなりますが、地面の感触は伝わりにくくなります。
一般には「初心者はクッションが多めのほうが安心」と言われます。私の場合も、走る距離が伸びるにつれてクッションの多い靴へ移りました。センスライド5から厚底へ移ったのがその流れです。
短い距離しか走らないうちは違いを感じにくいのも事実です。最初の1足でクッションの量に悩みすぎる必要はありません。
剛性は横の動きを支える

トレイルでは、障害物を避けるために左右にも動きます。
靴がねじれにくいほど足首を守れますが、硬すぎると疲れます。ここは試着でしか分かりません。
ロードシューズで代用できるのは、短い距離まで
「トレラン専用の靴でないとだめか」とよく聞かれます。
整備された短いコースなら、ロード用のランニングシューズでも走れます。
ただし、次の2つの理由で長くは続けられません。
1つ目は、滑ることです。ロード用の靴底は平坦な道を想定しています。濡れた木の根や落ち葉の上では止まりません。
2つ目は、靴が傷むことです。凸凹の道を走ると、ロード用のソールは削れます。トレイルで数回走っただけで走れなくなることもあります。
結果として、ロード用の靴を山で使い潰すほうが高くつきます。ロードとトレイルは分けたほうが、費用の面でも有利です。
私も始めた頃、ロードシューズで山に入ったことがあります。滑って危険でした。
短いコースなら走れます。ただ、実際に山へ入るなら、多少でもラグのある靴を選んでください。
次に試すなら、ウルトラグライド4
私が次に試したいと思っているのは、サロモンのウルトラグライド4です。
前のモデルにあたるウルトラグライド3は、実際に走りました。クッションが厚く、長い距離で脚が残る靴でした。
その後継が4です。まだ履いていないので、使用感は書けません。
それでも挙げるのは、幅の問題を抱えたまま、クッションの多い靴を探しているからです。アルトラ以外の選択肢を持っておきたいと考えています。
ウルトラグライド3も在庫は残っていますが、後継が出たので在庫は減っていきます。今から買うなら4を見てください。
こちらの記事でウルトラグライド3の使用感を紹介しています。
よくある質問
防水シューズは必要ですか?
私は不要だと考えています。
各社が防水モデルを出しているので、雨の多い日本では必要に思えます。ただ、防水モデルは中が蒸れます。私には蒸れるほうが不快です。
雨の日でも、靴の中には上から水が入ります。夏のレースでは川に入ることもあります。一度入った水は、防水だからこそ抜けません。
ただし、条件が変われば答えも変わります。登山も兼ねるなら防水は必要です。季節と使い方で判断してください。
予算はいくら見ておけばよいですか?
1万円から3万円が相場です。
初めての1足なら、1万円から2万円で十分です。3万円台の靴は、走力が上がるまでオーバースペックになります。
どこで購入できますか?
スポーツ用品店、アウトドアショップ、オンラインショップで買えます。
初めての1足は、試着できる店で買うことを勧めます。オンラインで買うなら、返品できる店を選んでください。
何kmで買い替えればよいですか?
走行距離でおよそ500kmから800kmが目安と言われています。
私は600kmを目安に、新しいモデルが出たタイミングで替えています。
サイズは何cm上げればよいですか?
ブランドによって違います。
私の場合、HOKAは0.5cm上げていますが、アルトラは上げていません。数字で決めず、必ず試着してください。
まとめ
初めてのトレランシューズは、予算と足の形の2つで決まります。
| 選ぶ基準 | モデル | 価格 |
|---|---|---|
| とにかく安く始めたい | アシックス Fuji Lite 7 | 11,660円〜 |
| 足の形がまだ分からない | サロモン センスライド5 | 15,895円〜 |
| 足幅で困っている | アルトラ ティンプ6 | 19,800円〜 |
| 長い距離を走りたい | HOKA スピードゴート7 | 23,100円 |
いちばん高くつくのは、合わない靴を買って走れなくなることです。私は100kmのレースの途中で履き替えました。
すでにロードを走っている人は、ラグと剛性の違いを確かめながら、自分に合うブランドを探してください。走ること自体が初めてなら、価格を抑えた1足から始めれば十分です。
どちらの場合も、1足目で決めきる必要はありません。
装備全体の考え方は、こちらの記事にまとめています。
トレイルの足跡
