【レースレポート】第3回 球磨川リバイバルトレイル・KRT(川辺川コース・102km)

2024年11月16日、17日にかけて開催された、「第3回 球磨川リバイバルトレイル(2024)」(通称:KRT)の、川辺川コース(102km)の部に出場してきました。

「大会の概要」、「どんな装備で走ったか」「コースのポイント」などについてざっくりとまとめたいと思います。

川辺川コース(約102km)の概要

球磨川リバイバルトレイルは、2020年7月の球磨川豪雨災害からの復興支援を目的として開催されるトレイルランニング大会です。大会は、11月に開催され、川辺川コース(約102km)と球磨川コース(約167km)の2つのコースが用意されています(九州初の100マイルレース!)。

今回、私は、短い方の川辺川コース(約102km)を走ってきました。その川辺川コースは、五木村(いつきむら)から八代市までを結ぶ約102kmのルートで、累積標高約5,800mとなっています(制限時間30時間。関門3か所)。ちなみに、球磨川コースは、約167km 累積標高約9,400m(制限時間41時間。関門6か所)となっており、なかなかハードなコース設定です。

ITRAポイントは、球磨川コース6ポイント、川辺川コース4ポイントでした。

エイドの設定か所(6か所)

川辺川コース(約102km)では、ウォーターエイドを含めてエイドが6か所あります。

エイド名累積距離区間距離
1W4(宇那川林道)22km22km
2A4(屋形多目的集会施設) 
※デポ受け取り
31km9km
3W5(万江阿蘇神社)44km13km
4W6(白岩山)56km12km
5A5(公民館川島分岐)67km11km
6A6(田上社会教育センター)86km17km
Fin(球磨川河川敷スポーツ公園)102km16km

球磨川リバイバルトレイルの難しさの一つとして、デポバックの受け取りがかなり前半である31km地点に設定されていることがあります。また、「エイド(A4、A5、A6)」の食べ物は充実していますが、ウォーターステーションにはあまり食べ物がないので、走る時間が長くなれば長くなるほど多くの食料を持参する必要が生じてくるのでその対策も必要になってきます。

コース設定

一般的な100キロ超えのレースと比較して、累積標高が高い大会というわけではありません。また、2024年大会から、制限時間が大幅に延ばされ、30時間(前年から7時間延長)となりました。そのため、完走が難しいレースでは無くなったのではないかと思います(だからといって完走が簡単というわけではないのであしからず)。

大会名距離累積標高制限時間
球磨川リバイバルトレイル102km5,800m30時間
阿蘇ボルケーノトレイル112km5,200m28時間
広島湾岸トレイル109km6,900m34時間
FTR100105km6,831m32時間
信越五岳トレイル110km4,900m22時間
2024年大会のまとめ

装備品(ギア、食料)

100キロを超える大会に参加する際には、入念な準備が必要です。今後、100キロを超えるような長距離レースにチャレンジしたいと思うランナーの参考になればと思いますので、どのような装備で参加したのかまとめておきます。

必携品について

球磨川リバイバルトレイルには、参加者が常に携帯しなければならない必携品が定められています。これら必携品については、必ず持参するのが大前提ですので、必ず用意してください。

  • コースマップ: 印刷物またはアプリでのGPXデータが必要です。
  • コンパス: 電子コンパスも可。
  • 携帯電話: 大会本部の電話番号を登録し、十分に充電してください。
  • 個人用カップ: ビンは不可。
  • 水: スタート前に1ℓ以上の水を用意。
  • ライト: 2個必要で、予備バッテリーも含む。
  • サバイバルブランケット
  • ホイッスル
  • テーピング用テープ: 100センチ×5センチ以上。
  • 携帯食料
  • 携帯トイレ
  • レインウェア: 防水性と透湿性を兼ね備えたもの。
  • 保温性のある中間着: ダウン、フリース、ウール等。
  • トレイルランニング用シューズ: 足の甲が覆われているもの。
  • 手袋: フィンガーレスは不可。
  • ファーストエイドキット: 絆創膏、消毒薬等。
  • 保険証: コピー可。
  • ナンバーカードと計測用チップ: 配布されるもの。
  • 携帯電話用の予備バッテリー

大会当日のウェア(半袖、短パン)

当日、どんなウェアを着用するかは、大会当日の天気次第で調整できるように準備しています。

2024年大会は、11月開催でしたが、当日の天気は例年に比べるとかなり温かい気温の予報でした。ただ、直前でもウェアを変更できるように、半袖、長袖、短パン、長ズボン等々と状況に合わせて変更できるように準備をして現地入りしました。

11月16日の五木村周辺の天気(出典:The whether channel)

大会当日、天気予報は、曇りで時折り小雨が降っている程度。気温が20度に近かったので、基本装備として、半袖、短パンを選択(アームカバーを着用)。

①fintrac(ファイントラック):ドライレイヤーベーシックボクサー

②fintrac(ファイントラック):ドライレイヤークールT

③on(オン):Performance-T

④THE NORTH FACE(ノースフェイス):エンデュリストレイルショーツ

⑤feetures(フィーチャーズ):Elite Light Cushion Mini Crew(エリートライトクッションミニクルー)

⑥OLENO(オレノ):アームスリーブ UL

⑦SWANY(スワニー):トレッキングハーフフィンガーグローブ TR-701

大会当日のシューズとザック

100kmを超す長距離レースであるため、クッション性のあるシューズであるHOKAのスピードゴート6と12リットルを収納できるサロモンのADV SKIN 12を使用しました。

HOKA(ホカ):SPEEDGOAT 6(スピードゴート6)

Salomon(サロモン):ADV SKIN12(アドバンスドスキン12)

スピードゴート6 【レビュー】頼れるトレランシューズ!HOKAスピードゴート6の特徴と使用感 ADV SKIN12 【ADV SKIN12:レビュー】サロモンのトレランザック「アドバンスドスキン12」の特徴と使用感

大会当日持参したレインジャケット・パンツ、防寒着、ライト

スタート時は小雨が降っていましたが、そこまで寒くはありませんでした。ただ、私は、体が冷えるのが嫌だったので長袖のジャケットを着用した状態でスタートしました(周囲のランナーはレイン等の上着を着用している方はほとんどいなかったです。)。

いずれにしても、レインジャケット、防寒着、ライトは、必携品として定められていますのできっちりと準備しておきましょう。

レインウェア、防寒着

レインジャケット・パンツについては、本レースで使用することはなかったため、ザックの中で終始待機。レインの上着については、「寒かったら着用しよう」と思っていたのですが、動いている限りは寒さを感じることはありませんでした。

使用の可能性が低い場合、ジップロックに入れて圧縮しています。

①THE NORTH FACE(ノースフェイス):ストライクトレイルジャケット

ストライクトレイルジャケット 【レビュー】ザ・ノースフェイス ストライクトレイルジャケットの特徴と使用感

②THE NORTH FACE(ノースフェイス):ストライクトレイルパンツ

③Mammut(マムート):flex air in jacket(フレックス エア インサレーション ジャケット)

④patagonia(パタゴニア):Terrebonne Joggers(テルボンヌジョガーズ)

テルボンヌジョガーズパンツ見た目 【レビュー】アウトドアにもタウンユースにも最適!パタゴニア テルボンヌ・ジョガーズの特徴と使用感

ヘッドライト・ウエストベルト

暗いよりは明るいに越したことはないので、いつもヘッドライトとウエストライトの2灯で夜間パートに挑んでいます。

①Ledlenser(レッドレンザー):H8R

②UltrAspire (ウルトラスパイア):Lumen 600 4.0

大会当日の補給食(エナジージェル、エナジーバー)

大会中の補給食は、基本的には、ジェルにしています。適度な固形物の補給も必要なので多少は補給食も含めていますが、基本的には、嵩張るし、移動しながら食べるのに適さない(呼吸がしづらい)ので、あまり多くは持参しないようにしています。

GUのStroopwafelについては、美味しいし、食べやすい(咀嚼しやすい)ので固形物を持参する際には重宝しています。

あとは、サプリ類として、カフェイン、アミノ酸(グルタミン・EAAを混ぜたもの)、アスタキサンチンを持参。

  • GU:LIQUIDENERGY(9本)
  • ANDO(5本)
  • MEDALIST:塩GEL(4本)
  • STC:OVER BLAST(4本)
  • GU:Stroopwafel(5枚)
  • PowerBar:PowerGEL(1個)
白い粉はアミノ酸(グルタミンとEAAを混ぜたもの)

コースのポイント

本レースのポイントとなる区間について簡単に解説します。

スタート〜W4(宇那川林道)

最初のポイントは、「スタート〜W4(宇那川林道・22km地点)」です。

どんなレースでもそうですが、スタートしてしばらくはテンションも高く、ペースも上がりがち。そんな中、一気にガツンとした登り。最初は、足に余裕もあるため、「頑張って登って」、「緩い傾斜では走って」ということをやりがち。前半で脚を使っていては、後半動けなくなること間違いないので、ほどほどに登りましょう。

アシタカ
アシタカ

よほど走力に自信がある人以外は、歩きましょう!

A5(公民館川島分岐)〜A6(田上社会教育センター)

もう1点ポイントを挙げるなら、「A5(公民館川島分岐・67km地点)〜A6(田上社会教育センター・86km地点)」です。

エイドを出発して、一山を登って下った後には、長ーいロード区間(7kmくらい)が待ってます。はっきり言ってロード区間は上り区間に比べたら肉体的には楽です。楽なんですが、精神的にはけっこー辛かったです。距離も長いので、この区間を歩くのか、淡々と走り続けるのかで時間的には大きく変わってくると思います。

アシタカ
アシタカ

真っ暗の中、泣きながら走りましたよ!

まとめ

一般的な100km超のレースと比較すれば、累積標高が高いわけでもなく、また、制限時間が30時間あるため、完走すること自体は難しくない大会だと思います。ただ、預け荷物を受け取れるのが、かなり前半(A4(屋形多目的集会施設)・31km地点)にあるのは難点です。あとは天候次第ですかね。2024年大会は、最高の気象条件でしたが、雪降るようなコンディションであればまた難易度も変わってくるのかと思いました。

とはいえ、大会スタッフの方々のホスピタリティもあるし、エイドで提供される食べ物も美味しかったので楽しく走り切れました!関係者の皆様、ありがとうございました!!