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トレランで、こんな経験はありませんか?
- 登りで汗だくになった後、稜線の風で一気に体が冷えた
- 濡れたTシャツが背中に張り付いて気持ち悪い
- ショップで見かける「あみあみ」のインナー、本当に必要なのか分からない
実は、トレランでは「汗をかかない」ことよりも、汗をかいたあとにどう冷やさないかが大切です。
トレイルランニング歴12年。年間10大会ほどに出場し、毎年100kmクラスのレースにも挑戦しています。普段は週4回の帰宅ランを続けています。
そんな中で、いろいろな汗冷え対策を試してきました。
その中でも、今では手放せなくなったのが「インナー」です。
この記事では、実際に使った3枚のインナーを比較しながら、汗冷え対策や季節ごとの選び方を紹介します。
「あみあみって本当に必要?」
「結局、どれを選べばいい?」
そんな疑問を解消して、自分に合った1枚を選べるようにまとめました。

ライターの『アシタカ』です。トレラン歴12年の会社員ランナー
年間10大会程度出走、実体験を元に、初心者向けにトレランの始め方を紹介しています。
迷ったらファイントラックのベーシック|3枚の比較早見表
結論から書きます。はじめての1枚で一年中使うならファイントラックのベーシックです。
| 項目 | ① finetrack ドライレイヤー ベーシック ノースリーブ | ② finetrack ドライレイヤー クール タンクトップ | ③ ミレー ドライナミック メッシュ NS クルー |
|---|---|---|---|
| 品番 | FUM0425 | FUM0823 | MIV01248 |
| 価格 (税込) | 4,620円 | 5,830円 | 5,830円 |
| 汗を離す方法 | ナイロン+撥水加工 | ナイロン+撥水加工 | ポリプロピレン66%( 素材自体が水を含まない) |
| 生地 | 標準 | ベーシックより 約20%薄い | 肉厚 網目が太い |
| 涼しさ | 標準 | ベーシックの 約2倍 | 標準 |
| 保温 | あり | ベーシックより 約50%低い | あり(厚みが空気の層になる) |
| 向く季節 | 通年 | 真夏のみ | 通年(とくに冬) |
| Yシャツの下 | 着られる(帰宅ランOK) | 着られる | 着にくい(厚みが出る) |
| こんな人に | 最初の1枚。迷ったらこれ | 盛夏に走る人。2枚目として | 汗の量が多い人。山専用 |
3枚とも実際に買って、山とロードの両方で使っています。
汗冷えを防ぐインナーの選び方は3つの基準で決まる
商品を見る前に、選び方を整理します。ここを外すと、どれを買っても満足できません。
撥水加工型かポリプロピレン型かで選ぶ


機能性インナーは、大きく分けると2つのタイプがあります。
- 撥水加工型(ファイントラック)
生地に撥水加工を施し、汗や水を肌から離れやすくするタイプ。薄く軽く作りやすいのが特徴です。 - ポリプロピレン型(ミレー・オンヨネ)
水を含みにくいポリプロピレンを使ったタイプ。撥水加工ではなく、素材そのものの特性を利用しています。
ファイントラック、ミレー、オンヨネの3社を「それぞれ仕組みが違う」と紹介している記事もありますが、ミレーとオンヨネはどちらもポリプロピレンを主体とした同じタイプです。
選び方はシンプル。
薄さ・軽さを重視するなら撥水加工型。
長く使うことや、加工の影響を気にせず使いたいならポリプロピレン型。
まずはこの違いを押さえておけば、インナー選びで迷いにくくなります。
半袖?タンクトップ?選ぶ基準は「上に着るウェア」
インナーは、上に何を着るかで選ぶのがおすすめです。
一見すると、半袖タイプのほうが腕までカバーできて安心そうに見えます。
でも、トレランでは重ね着することを考えると、タンクトップタイプのほうが使い回しやすいです。
上に半袖・長袖のトップスを重ねても袖がもたつかず、お腹や背中をしっかりカバーできます。
一方、半袖インナーの上に長袖を重ねると、袖の部分が二重になって腕まくりがしにくくなることがあります。
ただし、夏にノースリーブのトップスを着ることが多いなら、タンクトップタイプがおすすめです。肩まわりがすっきりして、ごわつきにくくなります。
選び方をまとめると、
- ノースリーブを着ることが多い → タンクトップ
- 半袖・長袖を着ることが多い → どちらでもOK
- 一年を通して1枚で使い回したい → タンクトップが使いやすい
インナー単体で考えるのではなく、普段どんなトップスを重ねるかを基準に選ぶと失敗しにくくなります。
サイズはぴったりを選ぶ
インナーは、肌にしっかり密着していることが大切です。
ゆったりしたサイズを選ぶと、肌とインナーの間に隙間ができ、汗をうまく外側へ逃がせません。
そのため、サイズに迷ったらジャストサイズ〜やや小さめを選ぶのがおすすめです。生地には伸縮性があるため、適正サイズなら強く締めつけられるような窮屈さはほとんどありません。
【サイズ実例】
身長170cm・体重55kgの場合、ファイントラックはS、ミレーはS-Mを着用しています。

サイズが合っていないと、せっかくの機能も十分に働きません。
迷ったら「肌に密着しているか」をチェック。
トレランのインナーおすすめ3選
紹介するのは、次の3つを満たすモデルだけです。
- 実際に自分で買って、山とロードの両方で使ったもの
- 袖のない型(重ね着するウェアを選ばないため)
- 国内で普通に買えて、サイズ展開があるもの
価格帯は4,600〜5,900円です。インナー1枚としては高く感じますが、3年以上使って今も現役です。トレランだけでなく、通勤ランでも同じインナーを使っています。
① finetrack ドライレイヤーベーシック ノースリーブ|一年中使える万能の1枚
4,620円(税込)/品番:FUM0425/ブラック・ペイルグレー
最初の1枚を選ぶなら、まず候補に入れたいのがファイントラックのドライレイヤーベーシックです。
3枚の中では価格を抑えやすく、季節を問わず使いやすいのが特徴。トレランだけでなく、帰宅ランや通勤ランなど、普段のランニングでも使いやすい1枚です。
生地には撥水加工が施されていて、汗を含みにくく、肌をドライな状態に保ちやすくしています。公式では「150洗80点の耐久撥水性」とされ、150回洗濯しても撥水性を80%維持するという基準です。
また、肌に当たる縫い目を外側に出したつくりになっているため、長時間走ったときの擦れを抑えやすいのもポイント。
実際にベーシックを使うようになってから、レース中の乳首やわきの擦れが気にならなくなりました。100kmレースでは念のため保護バームも併用しています。
- トレラン用インナーを初めて買う
- 春夏秋冬、1枚をできるだけ使い回したい
- トレランだけでなく、帰宅ランや通勤ランでも使いたい
- 普通のインナーに近い感覚で、シャツの下にも着たい
- 真夏、特に30℃を超える環境で走ることが多い → ②クールがおすすめ
- 洗濯時に柔軟剤を使うことが多い → 撥水加工の性能を保つため、洗濯方法に注意が必要
② finetrack ドライレイヤークール ノースリーブ|暑い季節に特化した1枚
5,830円(税込)/品番:FUM0823/ブラック
「夏の暑さがとにかく苦手」という人なら、クールがおすすめです。
ベーシックと同じ撥水加工型ですが、こちらは暑い季節に特化したモデル。公式では、ベーシックと比べて次のような違いがあります。
- 生地が約20%薄い
- 涼しさが約2倍
- そのかわり保温効果は約50%低い
つまり、涼しさを優先して、保温性を抑えたモデルです。
真夏の低山や、暑い時期のロング走では、この違いを感じやすくなります。
また、抗菌防臭機能もあり、公式では「ニオイの原因菌の抑制率99.9%以上」とされています。
ただし、クールを着たからといって、ずっとひんやりするわけではありません。
ベーシックと比べて、薄くてさらっとした着心地というイメージです。「着るだけで涼しくなる」と期待すると、少し違うかもしれません。
クールには2つの型がありますが、今回はタンクトップを選びました。
夏はノースリーブのトップスを着ることが多いため、肩まわりがすっきりして重ね着しやすいからです。
- 気温30℃超えの季節に走る
- 汗をかいた後のニオイが気になる
- ベーシックを持っていて、夏用の2枚目がほしい
- 1枚だけ買って一年中使いたい(保温が低いので秋冬に不向き)
- 予算を抑えたい(ベーシックより1,210円高い)

正直、真夏の滝汗ではインナーもTシャツもびしょびしょになります(笑)。
それでも、肌にTシャツが直接張り付く感じはかなり違います。
③ ミレー ドライナミック メッシュ NS クルー|汗の量が多い人と冬の山に
5,830円(税込)/品番:MIV01248/100g/S-M・L-XL・XXL
ファイントラックとは、汗を逃がす仕組みが違います。
ミレーはポリプロピレンを66%使用しており、繊維そのものが水を含みにくいのが特徴です。撥水加工ではなく素材の性質を利用しているため、洗濯による撥水加工の劣化を気にせず使えます。
そして、最大の特徴がこの厚みと大きな網目。
厚みのあるメッシュが濡れたTシャツを肌から離し、肌とウェアの間に空気の層をつくります。この構造は、汗をたくさんかく人や、気温の低い冬の山で特にメリットを感じやすいです。
一方で、厚みはデメリットにもなります。
普通のシャツの下に着るには存在感があり、帰宅ランでは使いにくいので、私は**「山を走る日のためのインナー」**と割り切って使っています。
ファイントラックは普通のインナーに近い感覚で、シャツの下にも着やすいのが特徴です。
日常のランニングとトレランの両方で使いたいならファイントラック。
汗の量が多く、冬の山でも使いたいならミレー。

ミレーは普段着の下に着るには、ちょっとゴツい。
でも、山で汗をたくさんかく日は頼りになります。
帰宅ランの装備については、こちらの記事で詳しく紹介しています▼
- 人より汗をたくさんかく
- 冬の低山や残雪期を走る
- 撥水加工のメンテナンスを気にせず使いたい
- トレラン専用のインナーとして使いたい
- 帰宅ランなど、シャツの下にも着たい(厚みがあり、普段使いには向きにくい)
- 体にぴったりしたレース用ウェアの下に着たい(メッシュの凹凸が出やすい)
インナーを着る目的は「汗冷えを防ぐこと」
「速乾Tシャツを着ていれば十分じゃない?」
そう思うかもしれません。
でも、トレランでは汗をかいたあとに体が冷える「汗冷え」に注意が必要です。

インナーを着れば、汗をかかなくなるわけではありません。
汗を外へ逃がしやすくするもの、と考えてください。。
山では「汗をかいたあと」が要注意
トレランでは、登りでたくさん汗をかきます。
そのあと稜線に出たり、下りに入ったりすると、風で一気に体が冷えることがあります。
標高が100m上がると、気温は約0.6℃下がるのが一般的な目安です。標高差1000mなら、約6℃の差になります。
汗で濡れたTシャツが肌に張り付いたまま冷たい風を受けると、さらに体が冷えやすくなります。
だからインナーを使います。
インナーの役割は、汗をかかないようにすることではなく、汗をかいたあとに体を冷やしすぎないこと。
これが一番大切なポイントです。

登りでは暑くて「こんなのいらない」と思っても、稜線に出た瞬間にありがたさを感じることがあります。
ロードでも「止まったとき」に役立つ
汗冷えは山だけではありません。
- インターバル走で休んでいるとき
- フルマラソン後半でペースが落ちたとき
このような場面でも、汗で濡れたウェアが冷えて寒く感じることがあります。
「汗をかく → 冷える」を防ぐ。
これが、トレランでインナーを着る理由です。
インナーが汗を肌から離す仕組み

つまり、こういうこと
汗をかく
↓
インナーが汗を肌から外へ移す
↓
速乾Tシャツが汗を受け取る
↓
Tシャツが汗を広げて乾かす
↓
肌が汗でベタつきにくくなる
これが、トレラン用インナーの基本的な仕組みです。
ポイントは、インナーが汗を吸い取るのではなく、汗を肌から外へ移すこと。
インナーには、ミレーのような「あみあみ」タイプもあれば、ファイントラックのように薄い生地と撥水加工を使ったタイプもあります。
見た目や仕組みは違っても、目的は同じ。
汗を肌から離して、上に着たTシャツへ渡すことです。
だから、インナーは速乾Tシャツとセットで使うのが基本。
この組み合わせで、汗でTシャツが肌に張り付く不快感や、汗をかいたあとの冷えを防ぎやすくなります。

なんとなく着るより、仕組みを知って使ったほうが効果を実感しやすいです。
柔軟剤はNG。インナーの洗濯で気をつけること
ファイントラックの2枚は撥水加工を使っているため、洗濯方法が大切です。
特に気をつけたいのが柔軟剤。
柔軟剤は撥水性を低下させることがあるため、使わないようにしましょう。
洗濯するときは、この4つを覚えておけばOKです。
- 柔軟剤は使わない
- 漂白剤・乾燥機は避ける
- 洗濯ネットを使う
- 撥水性が落ちてきたら専用洗剤を使う
ファイントラックの「オールウォッシュ(FCG0101)」は、撥水性を保つために使える専用洗剤です。

一方、ミレーはポリプロピレンを使っているため、撥水加工の劣化を気にする必要はありません。
ただし、こちらも柔軟剤は避けたほうが安心です。
洗濯方法は地味ですが、インナーを長く使うためには意外と大事なポイントです。

柔軟剤を使いたくなる気持ちは分かります。でも、撥水インナーでは我慢してください(笑)。
洗剤の詳しい使い方は、レインウェアの記事でも紹介しています▼
よくある質問|トレラン用インナーの疑問を解決
インナーの上に何も着なくても大丈夫ですか?
基本的には、上に速乾Tシャツを重ねて使います。
インナーは汗を外側へ移し、上のTシャツがその汗を受け取る仕組みです。
インナーだけでは本来の機能を発揮できません。

インナーを着れば、汗をかかなくなるわけではありません。
汗を外へ逃がしやすくするもの、と考えてください。。
洗濯機で洗えますか?
洗濯機で洗えます。
ただし、撥水加工型のファイントラックは、柔軟剤を使わない・洗濯ネットに入れる・乾燥機を避ける、の3つを覚えておきましょう。
詳しくは「撥水力を保つには柔軟剤を避けて専用洗剤で洗う」で解説しています。
まとめ
トレラン用インナーは、汗を吸い取るためではなく、汗を肌から外へ移して汗冷えを防ぐためのものです。
今回、実際に使った3枚を選ぶなら
- 最初の1枚なら、ファイントラック ドライレイヤーベーシック ノースリーブ
春夏秋冬使いやすく、トレランだけでなく帰宅ランや普段のランニングにも使いやすい1枚 - 真夏の暑さ対策なら、ファイントラック ドライレイヤークール タンクトップ
暑い時期に特化したモデル。ベーシックを持っていて、夏用の2枚目がほしい人におすすめ - 汗の量が多い人や冬の山なら、ミレー ドライナミック メッシュ NS クルー
厚みのあるメッシュで、汗で濡れたTシャツを肌から離してくれます
どのインナーを選んでも、上には速乾Tシャツを重ねて使うのが基本です。
また、ファイントラックのような撥水加工タイプは、柔軟剤を使わないことも大切です。
迷ったら、まずは「どの季節に一番使いたいか」「トレラン以外でも使うか」で選んでみてください。

12年トレランをしていますが、今はインナーなしで走るほうが不安です。
特に長時間走るときは、汗冷え対策として欠かせない装備になっています。
下半身の汗冷え・股ずれ対策は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
トレイルの足跡